こんにちは。ゆるり訪問看護リハビリステーション多摩の管理者です。

以前、「その人の暮らしを主役にすること」を大切にしているとお話ししました。
今回は、もう一つ大切にしていること——
「ご家族も、ケアの対象である」ということについてお話しします。

介護をしているご家族は、想像以上に疲れている

ご自宅で療養している方の多くは、ご家族の支えのもとで暮らしています。

食事の準備、お薬の管理、トイレの介助、夜中の見守り。
24時間、ずっと気が抜けない日々を送っているご家族も少なくありません。

訪問に伺うと、ご本人より先にご家族の顔色が気になることがあります。
「最近、ちゃんと眠れていますか?」
そう声をかけると、
「実は、あまり……」
と、ぽつりと本音をこぼされることもあります。

「頑張りすぎない介護」を一緒に考える

介護をしているご家族は、とても真面目な方が多いです。
「私がやらなきゃ」
「人に頼るのは申し訳ない」
そう思って、一人で抱え込んでしまう。

でも、ご家族が倒れてしまっては、ご本人の在宅生活も続けられません。

だからこそ私たちは、
「頑張りすぎない介護」
を一緒に考えるようにしています。

デイサービスやショートステイを利用して、ご家族が休める時間をつくる。
介護用品を見直して、介助の負担を減らす。
ケアマネジャーさんと相談しながら、使えるサービスを提案することもあります。

「休むことも、介護の一つですよ」
そうお伝えすると、ほっとした表情をされる方が多いです。

介護のコツをお伝えすることも

ご家族の負担を減らすためには、介護のちょっとしたコツをお伝えすることも大切です。

ベッドから車いすへの移り方。
おむつ交換のときに腰を痛めない姿勢。
むせにくい食事の姿勢や、とろみのつけ方。

ほんの少しのコツを知るだけで、介護はずいぶん楽になります。
「こんなに楽にできるなんて、もっと早く知りたかった」
と言っていただけることもあります。

実際にご家族と一緒にやってみて、できたところをしっかり認める。
一度で覚えられなくても大丈夫です。訪問のたびに、少しずつ確認していきます。

ご家族の「話を聞く時間」も大切なケア

訪問の時間は限られていますが、ご家族とお話しする時間も大切にしています。

ご本人のケアが終わった後、玄関先で少し立ち話をする。
その数分間に、ご家族の不安や悩みが語られることがあります。

「このまま介護を続けられるか不安で」
「最近、本人が怒りっぽくなって、どう接したらいいか分からない」

すぐに解決できることばかりではありません。
それでも、話を聞いてもらえるだけで気持ちが軽くなる、と言っていただけることがあります。

ご家族の力を信じる

一方で、ご家族を「支えられる側」としてだけ見ているわけではありません。

ご本人のことを一番よく知っているのは、ご家族です。
「今日はいつもより食欲がない」
「なんとなく元気がない気がする」
そうした日々の小さな気づきは、私たちにとって本当に貴重な情報です。

ご家族ができていることを一緒に確認し、
「その方法でばっちりです」
「よく気づいてくださいましたね」
とお伝えすることで、ご家族の自信にもつながっていきます。

ご家族と私たちが、同じチームとしてご本人を支える。
それが、在宅療養を長く続けていくための大切なポイントだと考えています。

ご家族それぞれの「事情」に寄り添う

一口にご家族といっても、状況はさまざまです。

仕事をしながら親の介護をしている方。
小さなお子さんを育てながら介護をしている方。
ご高齢の配偶者が、お一人で介護をされている「老老介護」のご家庭もあります。
遠方に住んでいて、なかなか顔を出せないご家族もいます。

それぞれに、できることとできないことがあります。
「もっと来てあげてください」と求めるのではなく、
そのご家族にできる関わり方を一緒に考える。

離れて暮らすご家族には、電話で様子をお伝えすることもあります。
「お母さん、今日は笑顔でお話ししてくださいましたよ」
その一言で安心していただけることもあるのです。

最後に

訪問看護は、ご本人だけでなく、その方を取り巻く「ご家族の暮らし」にも関わる仕事です。

ご家族が少しでも安心して、笑顔で過ごせるように。
これからも、ご本人とご家族の両方に寄り添う訪問看護を続けていきます。

次回は、訪問看護の「大変なこと」の2回目として、移動や季節にまつわる苦労についてお話しします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。