こんにちは、ゆるり訪問看護ステーション多摩の横平です。
訪問看護を行なっていき、いろいろな看護師さんが入ってきました。様々な経験等をされた看護師が多く、退院調整や、終末期ケア認定を持っている看護師も在籍しております。
今後様々な利用者を受け入れられる環境が整っている中で、
ガン末のターミナル期に入り、最期は在宅で。。といった利用者様も多くいらっしゃいます。
予後1ヶ月〜半年と幅がある中で、ガン末期の方は一気にADLが落ちてきます。
食事や水分を摂ることが困難となり、尿等も出なくなり、最期を迎えていく。そのような中で、
利用者様の視点に立って考えた場合の、緩和について、
我々の方向性について、少し触れていきたいと思います。
**スピリチュアルペインと村田理論**
村田理論について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/18/1/18_10-0009/_pdf
緩和ケアは患者が病気や治療の影響で生じる身体的な苦痛だけでなく、心の苦しみやスピリチュアルな面にも焦点を当てます。その中で重要な概念の一つがスピリチュアルペインです。これに関連する村田理論は、自己、時間、関係の三つの存在から生じるスピリチュアルペインを理解し、緩和ケアの向上に寄与しています。
村田理論を読み解き、我々の考え方について述べたいと思います。
1. **自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛:**
– 病気や状態の変化により、自分自身の存在や生の意味に疑問を抱くことがあります。これが自己の存在と意味の消滅から生じるスピリチュアルペインです。この苦痛に焦点を当て、患者の内面に寄り添ったサポートが求められることを示唆しています。
2. **自立存在、やれることが出来なくなる辛さ:**
– 病気の進行により、以前できていたことができなくなることで自己の変化や喪失感が生じます。自立していた存在が依存的になる辛さが、スピリチュアルペインの一環として現れます。患者が新たな自分を見つける手助けが求められます。
3. **時間存在、心残り、希望のなさ、死への不安:**
– 終末期の患者にとって、時間は特別な意味を持ちます。過去の心残りや未来への希望の喪失、死への不安がスピリチュアルペインとして表れることがあります。時間の中で患者が抱えるこれらの感情に焦点を当て、積極的なサポートが必要であることを強調しています。
4. **関係存在、家族や大切な人との関係性の変化:**
– 病状の進行に伴い、家族や大切な人との関係性が変化します。これがスピリチュアルペインとなり、患者がその変化にどのように向き合うかが重要です。人間関係が持つ深い意味に着目し、コミュニケーションや支援がスピリチュアルペインの緩和に寄与すると述べています。
緩和ケアは身体的な側面だけでなく、患者の心とスピリチュアルな側面にも焦点を当て、その理解を深めることでより質の高いサポートが可能です。この探求に一石を投じ、患者と家族が穏やかで意味のある終末を迎える手助けとなっています。
このような考え方を解釈して、地域の医療に貢献していきたいと考えております。
とはいえ、まだまだ学ぶことも多く、ご不便をおかけしないように精進していきます。緩和ケアの機会について、積極的に依頼を受けていきたいと思っています。地域の方々にはご指導ご鞭撻の程、お願い申し上げます。
また、このように、緩和ケアについて積極的に取り組んでいきたい看護師、理学療法士、作業療法士の方々からのご意見やお問い合わせを募集しております!
ぜひ意見交換等が行えれば幸いです。何卒宜しくお願い致します。
コメント
対人援助・スピリチュアルケア研究会理事の疇地と申します。
突然のコメントを失礼いたします。
対人援助論(村田理論)に関心を寄せ、取り上げてくださったこと大変うれしくコメントを送らせていただきました。
当研究会は、対人援助論(村田理論)の理論生成者である村田久行氏を初代理事長として設立したNPO団体です。医療・福祉・介護・ボランティア・教育にかかわる現場の援助者を支援し、真のスピリチュアルケアの教育・普及を目指しています。
もし、ご興味がありましたらホームページ(https://www.sp-c.org/)、公式YouTube(https://youtu.be/iqm1uNpYhWc?si=0csuNsVH7LH2HuiS)をご覧いただければ幸いです。
また、私は現在、府中市にて訪問診療のクリニックでがん看護専門看護師としても活動中です。スピリチュアルペインとそのケアについての概念教育だけでなく、具体的なスピリチュアルケアの方法論について、これまで府中市内外で教育活動の経験がございますので何かお役に立てることがございましたら、いつでもお声かけください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
疇地様
ご返信大変遅くなりました。ゆるり訪問看護ステーション 吉田と申します。
コメント大変感謝いたします。
川崎市 井田病院が緩和ケアやスピリチュアルケアに積極的にやっておられ、その勉強会等に参加させていただくこともあり、
実際に訪問診療の運営も別事業で行っておりますので、診療同行した際に患者様(死への許容や直前までの感情へ寄り添う)及び患家の心情等を鑑みると、
スピリチュアルケアの必要性を感じる次第でございます。
積極的に地域医療の進歩等の目的で、勉強会等を開催させていただいておりますので、
もし可能でございましたら、共に地域の発展に寄与いただけると大変心強いです。
一度意見交換の場をいただけると幸いなのですが、
いかがでしょうか?ご連絡お待ちしております。
ゆるり訪問看護ステーション 吉田