こんにちは、横平です。介護について触れていきたいと思います。
最近身内が倒れて、日々の生き方をみつめることが増えました、
当事者もそうですが、家族としてもその状況下に置かれると、一気に変わっていきます。

■病気になった瞬間、家族の人生も変わる

突然の診断。
「治療」から「共に生きる」へと変わった日。
その瞬間、本人だけではなく、家族の人生にも新しい章が始まります。

誰も経験値を持ち合わせていません。
戸惑っていい。迷っていい。泣いていい。
大切なのは、
“病気と暮らす”という現実を家族ごと受け止め、形にしていくこと。

介護とは、単に“支える”行為ではなく、
家族全員で紡いでいく「ストーリー」なのです。


■図解|介護のストーリーは“役割の交代”から始まる

【これまで】                     【これから】
親が子を守る → 子が親の生活を支え始める
教えてくれる存在 → 決断を共にする存在
見送る立場 → 寄り添う立場

この「役割のゆるやかな交代」こそが、
多くの家族が感情的に向き合う壁です。

「まだ親でいてほしい」
「頼られれば応えたい」
その揺れに正解はありません。


■利用者へのインタビュー

「できないことが増えた母。でも“できること”を一緒に探した」

(40代 長女/同居)

「母は、料理も掃除も全部自分でやっていた人でした。
病気が進むにつれて、できないことが増えていく現実。
私が手を出すと、母は『まだできる』と怒るんです。」

「訪問看護さんに言われたのが
『できることを奪わないことも支援です』という言葉。
そこから、“全部やる”をやめました。」

「母のペースで、母ができることを続けてもらう。
私はそのフォローに回る。
喧嘩が減り、穏やかな時間が増えました。」

病気は奪うだけではありません。
コミュニケーションの形、家族の距離を変えるきっかけにもなるのです。


■訪問看護の役割は“症状の管理”だけではない

訪問看護が担うのは――
✓ 医療的ケア
✓ 薬管理
✓ 病状観察
✓ 生活動作のサポート
だけではありません。

家族の関係性を守るための支援
これは訪問看護にしかできない専門性です。

▼「助けすぎない」時間配分
▼ お互いに感情がぶつかる理由の理解
▼ “できること”の見極め
▼ 本人の意思を引き出すコミュニケーション

医療だけでは語れない「暮らし」を支える。
家族が崩れないよう並走することこそ、在宅介護の本質です。


■病気と共に暮らすという選択=諦めではない

病気があるからできないことではなく、
病気があってもできる過ごし方を形にしていく。

・外食の回数を減らす代わりに
 家で好きな料理を一緒に楽しむ

・遠出を控える代わりに
 庭で季節を一緒に感じる

・長時間の会話が難しくても
 一緒に過ごす「沈黙」を受け入れる

失ったものではなく、残されたものを大切にする。
それは、諦めることではなく、
新しい家族のストーリーをはじめることなのです。


■まとめ

介護とは、
「支える側」と「支えられる側」が
常に揺れ続ける関係性です。

でもその揺れこそが、
家族を家族たらしめる時間。

病気と共に暮らす選択をするなら、
“ひとりで抱えない介護” を前提に。

あなたの家族のストーリーが、
後悔ではなく、
確かな記憶として残るように。