こんにちは、ゆるり訪問看護ステーション管理者でございます。
臨床歴はまもなく6年目に入っていきますが、訪問看護ステーションの管理者として地域医療に従事しております。様々なケースを対応させていただく中で、病棟等とはまた違う部分も多々あります。
訪問看護ステーションで看護業務を担っていく方々にあたってのメッセ―ジになります。

訪問看護師として働く中で、患者さんとそのご家族が最後の時間を穏やかに過ごせるよう支えることは、非常に大きな責任であり、同時に深い充実感を得られる瞬間です。その中でも特に「緩和ケアでの看取り」は、訪問看護の大切な役割の一つです。本記事では、このテーマについて私の経験や感じたことを共有し、訪問看護師を目指す皆さんがこの仕事に関心を持つきっかけになればと思います。


緩和ケアでの看取りとは?

緩和ケアでの看取りとは、患者さんが病院ではなく自宅や施設で、最期の時を本人らしく迎えるためのサポートを行うことです。痛みや苦しみを軽減しながら、心のケアにも配慮し、ご本人やご家族が安心して過ごせる環境を整えます。

このプロセスでは、以下のようなケアが求められます:

  • 身体の苦痛を和らげるケア:痛み管理、呼吸困難への対応、症状緩和。
  • 精神的なサポート:不安や孤独感に寄り添う。
  • 家族への支援:看取りを見守るご家族の負担や悲しみに寄り添う。

訪問看護師は、ご自宅というプライベートな空間でケアを行うため、より患者さんと密接な関係を築くことができる特別な役割を担っています。


訪問看護師として感じたやりがい

私が初めて看取りを経験したのは、訪問看護師として働き始めて間もない頃でした。ある末期がんの患者さんが「最期は自宅で過ごしたい」と希望されており、私たちチームはその願いを叶えるべく支援を行いました。

患者さんの最期の日々は、家族の方々がそばに寄り添い、笑顔や涙で満ちた温かな時間でした。訪問看護師として痛みをコントロールし、ご家族にケアの方法を説明しながら、そばで寄り添う中で、「人の人生の最終章に立ち会う尊さ」を深く感じました。

看取りを終えたご家族から、「最後まで家族みんなで過ごせてよかった」「一人ではできなかったけれど、サポートがあったから心強かった」と感謝の言葉をいただいた時、訪問看護師としての仕事の価値を改めて実感しました。


訪問看護師としての心得

緩和ケアでの看取りに携わる際には、以下のことが大切だと感じています:

  1. 患者さんの意思を尊重する
     どんな最期を迎えたいかは人それぞれです。ご本人とそのご家族の希望に耳を傾け、その思いに寄り添うことが最優先です。
  2. 専門的な知識と技術を磨く
     痛みや症状を緩和するためのスキルはもちろん、コミュニケーション能力や心理的サポートの知識も重要です。
  3. 心のケアを忘れない
     身体だけでなく、患者さんとご家族の心に寄り添うことが看取りケアの核となります。静かに話を聞くことも、重要な看護の一環です。

訪問看護師を目指す方へのメッセージ

緩和ケアでの看取りに携わることは、決して簡単な仕事ではありません。時にはご家族の悲しみに触れ、深い喪失感を共有する場面もあります。しかし、その一方で、患者さんが「自分らしく」最期を迎える手助けができるという大きなやりがいがあります。

訪問看護は、患者さんの暮らしに寄り添い、人生の最後を彩る仕事です。これを読んでくださった方が、「私もこの仕事で誰かの支えになりたい」と思っていただけたら嬉しいです。


おわりに

訪問看護師として働く中で、私自身も多くのことを学び、患者さんやそのご家族から教えていただきました。「看取り」という言葉には重みがありますが、その一方で、人間の温かさや愛情を感じる瞬間もたくさんあります。

もし訪問看護の道に興味がある方がいれば、ぜひこの仕事の魅力を感じてみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!